2007/05/29
発泡スチロールは環境に優しくないのか − Mac の梱包材をめぐる雑感
Mac の梱包材は発泡スチロール
当ブログでもご紹介した、Start Mac体験モニターの当選者の元に Mac が届き、皆さん、続々とレポートを書いています。
そんな中で、MacBook の梱包材について、せうさんが、わがMacBook紹介という記事の中でこんなことを書いてらっしゃいました。
開けると、発泡スチロール製の保護材が目につきます。ThinkPadがIBM時代から発泡スチロールの保護材極力利用しない方向の梱包を目指しているのとは、「悪い意味」で大違いだと感じてしまうのは自分だけでしょうか...?
Appleらしい見た目の演出も大切でしょうが、環境にもっと配慮した梱包を考えてほしいな、と思う次第...
Apple は先日、‘A Greener Apple’ という発表をし、環境問題への取り組みを積極的に行ってると述べていました。
そんなことを言ってるくらいだから、確かに環境に配慮して欲しいよね、と初めは思ったのですが、ふと、古紙 100% の再生紙は環境に優しくないという先日のニュースを思い出しました。環境問題はイメージ先行の部分も大きく、実際にはイメージと実態が異なることがよくあります。
そこで、発泡スチロールは環境によくないようなイメージがあるけど、実際にはどうなんだろうと思って調べてみました。
実はかえって環境負荷の高い古紙 100%リサイクル再生紙
単純にリサイクルすれば環境に良さそうと考えるのはおめでたい話で、実際には総合的なコストを考えないと環境問題は語れないというのは、市民のための環境学ガイドあたりを読んでいる人は知っていることでしょう。ライフサイクルコスト (LCC) とか、ライフサイクルアセスメント (LCA) とかいう考え方です。
古紙 100% 再生紙についても以前からそのような話がありましたが、そうした認識が、2007年4月下旬の日本製紙の発表をきっかけに急に広まった気がします。
ちょっと誤解している人がいるかもしれないので、補足しておきますが、古紙をリサイクルすることが即、環境に悪い、という単純な話ではないことです。
実際に、日本製紙の発表でも、古紙100%配合製品を廃止
という話であって、古紙の使用をやめるわけではありません。発表の中で以下のように述べられています。
古紙配合を一律何%と制限せずに、用途に応じて最適な配合率を決めて、古紙パルプを利用することが、これから紙に求められる環境対応であると判断しました。
このあたりの話は、森林資源や化石燃料資源の重視のし方、価格の問題、いろいろあって、本題からどんどんそれてしまうので、ここまでにしておきます。ちなみに「日本製紙 再生紙」あたりでネット検索すると、1998年のニュースリリースでこんなのが先に出てきました…。
この時点では本当に優しかったのでしょうか、それともイメージ先行だったのでしょうか…。
発泡スチロールの環境負荷は
検索すると、発泡スチロールの旭化成株式会社の発泡スチロールQ&Aあたりが出てきますが、元々は発泡スチロール再資源化協会のQ&Aに載っているもののようなので、そちらを参照します。なお、旭化成といっても、イヒ!の旭化成とは違う会社のようです。
発泡スチロール再資源化協会のサイトでは、環境負荷について以下のような説明があります。
ドイツ学際研究共同体の研究によれば、発泡スチロールはエネルギー消費、大気汚染、水質汚濁、地球温暖化要素のいずれにおいても、パルプモールドや段ボールより負荷が少ないという結果が出ています。発泡スチロールは、地球環境に与える影響の点からも優れた製品なのです。
単位重量当たりでは段ボールより負荷が大きいのですが、発泡スチロールは軽くて嵩が大きくできるため、実際に使う原料は少なくて済むことの効果が大きいようです。
ところで、発泡スチロール (EPS) の LCA に言及しているところを探してみると、この 1992年のドイツ学際研究共同体の研究を引いてきているところが大多数です。大抵が業界団体か発泡スチロール・発泡スチレンのメーカーです。
ちょっと都合のいい解釈や偏りもあるのではないかと思って他の資料も探していたところ、包装用緩衝材の LCA 研究報告 (PDF) というものがありました。段ボールと発泡スチロールの比較がなされています。(PDF を開くのが嫌な方は Google による HTML 変換バージョンをどうぞ。ただし、図表が若干抜け落ちています。)
平成15年 (2003年) の報告で、ビジネス機械・情報システム産業協会という著名な電機会社等を含む企業からなる団体の報告です。発泡スチロールの業界による説明よりは中立性がありそうです。
報告を読み込んでみたのですが、私の結論を先に書いてしまうと、やはり単純に段ボールが優位、発泡スチロールが優位とは言えないものになりました。同じ重量では段ボールに有利な結果が出ているのですが、比較して意味があるのは、製品1つあたりに使われる量になるので、同じ重量のことは考えてもしかたありません。
製品そのものの重量が重くなってくるにつれて、梱包材の段ボール/発泡スチロールの重量比は増加傾向、つまり重い製品を支えるために段ボールの方がよりしっかり重い梱包材が必要になる傾向があるため、発泡スチロールに優位性が出てくるようです。
包装用緩衝材の LCA 研究報告の細かい検討
この報告には、なぜか 2つの結論が載せられています。
第1章では、重量 23kg のレーザプリンタの梱包材をサンプルとして計算され、段ボールの方が環境負荷が少ないという結論になっています。
それに対し、第2章では、様々な製品の梱包材を検討し、エネルギー消費量では、製品重量 2〜5kg を越える場合は発泡スチロールが優位という結論になっています。
ただし、目次では第2章は参考資料扱いになっています。第2章は前述の発泡スチロール再資源化協会の技術委員会での調査をベースにしているそうで、そのために中立性を若干欠くため、参考資料扱いになっているのではないかと思われます。
第1章と第2章で異なる結論を出しているようにも思われますが、資料をよく読み込んでみると、いずれにせよ、梱包材の質量次第で有利不利が決まることがわかります。
包装用緩衝材の LCA 研究報告第1章の検討
第1章8節のまとめの考察には以下のようにあります。(強調部はこちらで付加)
排出 CO2について、段ボール緩衝材を EPS 緩衝材と比較すると、単位質量当たりで約 1/10、製品1台当たりで約 1/3 に減少しており、EPS 緩衝材より段ボール緩衝材は環境負荷が少ないことがわかる。但し、これは包装部材の納品までの工程であり、使用後の回収及び廃棄、CO2以外の排出物質は含まれておらず、今後の研究課題としたい。
また、今回の調査サンプルの段ボール緩衝材は、EPS 緩衝材を使用していた包装仕様から包装外観寸法を変えずに設計されているため、緩衝能力の差については考慮していない。従って、EPS 緩衝材についても薄肉化等の改善の余地が残されているものと思われる。
この結論部でちょっと意図的なものがあるのかもしれないと感じてしまうのは、段ボールの優位性がより目立つ排出 CO2 にしか言及していないことです。データ自体には投入熱量(消費エネルギー)の数字もあって、そちらの比較では製品1台当たりで約 1/2 の減少となります。また、単位質量当たりの比較をわざわざ取り上げていますが、実際に使われる量が問題なのであって、比較として取り上げる意味があるのかという点にも疑問を感じます。
第1章でサンプルとなっている梱包材の質量は、発泡スチロールが 337g、段ボールが 1220g で、その重量比は 3.62倍となっています。第2章のデータでは、様々な製品の梱包材の重量比が示されていますが、最大のテレビでは 15倍程度となっており、その場合は、排出 CO2 の点からも、消費エネルギーの点からも発泡スチロールが有利です。
計算してみたところ、第1章のデータからは、消費エネルギーで段ボール/発泡スチロール重量比が約7.6倍、排出 CO2 で約10.8倍を超えると、発泡スチロールが有利になってきます。
第1章には、発泡スチロールの半分が再生発泡スチロールだった場合の排出 CO2 の数字もあり、それによると、重量比約7.7倍が境目になります。消費エネルギーについてはデータがないのでわかりませんが、CO2 と同程度の比率でエネルギーが減らせると仮定すると、重量比約5.4倍が境目ということになります。
段ボール/発泡スチロール [重量比] | 段ボール/再生発泡スチロール (50%使用) | |
---|---|---|
消費エネルギー | 7.6 | 5.4? |
排出 CO2 | 10.8 | 7.7 |
ここで使われているサンプルは、引用箇所強調部にあるように段ボール緩衝材は、EPS 緩衝材を使用していた包装仕様から包装外観寸法を変えずに設計されている
ため、重量比は 3.62倍となっていますが、発泡スチロール梱包材の軽量化がはかれれば、段ボールより有利になる場合も出てくるものと考えられます。
包装用緩衝材の LCA 研究報告第2章の検討
次に、2章4節「結言」部分を引用してみます。(強調部はこちらで付加)
包装材としての単位重量あたりのエネルギ消費量は、EPS 成形品が紙系包装材(段ボール)に比較し、約5倍と高いが、EPS は単位体積当たりの重量が非常に軽量であることに加え、包装材は容積が機能と等価であるとの認識もあることから、単に重量当たりのエネルギ議論は意味がない。 EPS とダンボールは、本来それ自身が持つ特性から、お互いに機能を補完すべき関係にあるがどちらを主たる包装材として用いるかは、エネルギ消費量から見たとき、図4 にあるよう、被包装製品の重量が2~5 kg 以下では段ボールとその加工品が優位であり、それを越える場合はEPS の方が優位であると言える。
ここでは、内容物の重量 2〜5kg というのが境目となっています。とりあえずこの結論に従えば、今回の例に挙がった MacBook の本体重量を考えると、どちらとも言えない感じですね。iMac や Mac Pro になると、発泡スチロールの方がよいということになります。
内容物の重量 2〜5kgという結論がどこから出てきたかというと、エネルギー消費量についての段ボール/発泡スチロール重量比で、約5.1倍が境目になっていることからのようです。種々の製品のデータでは、図4のグラフから重量 2〜5kg のものが重量比 5倍前後という算出がされ、製品重量が増えるに連れ、重量比は大きくなる傾向があることが示されています。
なお、第2章ではデータには存在する CO2 発生量に言及されておらず、第1章とは逆の意図性を感じます。CO2 に着目すると、重量比約11.1倍が分岐点です。
段ボール/発泡スチロール [重量比] | 段ボール/再生発泡スチロール | |
---|---|---|
消費エネルギー | 5.1 | データなし |
排出 CO2 | 11.1 | データなし |
こうして見ると、第1章も第2章も CO2 についての結論はほとんど同じで、消費エネルギーについては 7.6 と 5.1 と若干数値が異なりますが、この辺りの見積もりは、各過程における算出値や、どこまでが計算に含まれるのかにもよるので、多少のぶれが出てくるのはしかたないものと思われます。
これまでに梱包材の重量比が効いてくると述べていますが、資料中の表2-3-3の値を製品重量の重い順に並び替えて、参考までに挙げておきます。
被包装粧品 | 商品重量 [kg] | 発泡スチロール [g] | 紙系包材 [g] | 発泡スチロール/紙系包材 [重量比] |
---|---|---|---|---|
エアコン | 65 | 108 | 1140 | 10.6 |
エアコン室外機 | 32 | 230 | 1150 | 5.0 |
モニタ (18インチ) | 32 | 860 | 4800 | 5.6 |
TV (21インチ) | 23.4 | 240 | 3500 | 14.6 |
TV (15インチ) | 14.7 | 169 | 2600 | 15.4 |
プリンタ | 15 | 160 | 990 | 6.2 |
ビデオデッキ | 11.3 | 208 | 1140 | 10.6 |
エアコン室内機 | 7.5 | 160 | 700 | 4.4 |
CD-ROM | 6 | 272 | 1107 | 4.1 |
水洗式便座 | 4.5 | 200 | 910 | 4.6 |
ジャー炊飯器 | 3.6 | 110 | 300 | 2.7 |
掃除機 | 3 | 120 | 220 | 1.8 |
FAX電話機 | 2.7 | 68 | 314 | 4.5 |
ハイビジョンチューナ | 2 | 80 | 410 | 5.1 |
アイロン | 1 | 20 | 30 | 1.5 |
デジカメ | 0.6 | 50 | 182 | 3.6 |
包装用緩衝材の LCA 研究報告の検討まとめ
既に結論は述べましたが、梱包材としては段ボール、発泡スチロールのどちらかが絶対的に優位とは言えないのが現状だと思います。簡単にどちらが優位との結論が出せないからこそ、超企業の技術委員会の場で「包装用緩衝材の LCA 研究報告」をまとめる必要もあったのでしょう。
梱包材の重量比だけでなく、今後の技術の進歩や情勢の変化によって見積もり変わってくる要素も少なくないでしょう。現時点、わかる範囲のデータではこういうことが言える、という程度なのではないでしょうか。例えば、この報告のデータには使用後のコストは考慮されていないようですし、CO2・投入エネルギー以外の要素については考慮されていません。資料だけからはよくわからない点としては、段ボールの再生紙利用率や、再生紙を使っていた場合にどこまでそのコストが算入されているのか等もあります。将来的な要素で言えば、現時点では発泡スチロールはダンボールに比べればリサイクル率が劣りますが、リサイクル率が改善されれば、発泡スチロールの方が有利になってくるということもあるでしょう。
段ボール材の優位性が必ずしもあるとは限らないのに、発泡スチロールを廃止したメーカーが少なからず存在するのは、実際の環境負荷というよりも、環境ホルモンなどの汚名も着せられ印象の悪かった発泡スチロールをやめることによる良いイメージ作りの側面が大きかったのではないかと思います。
しかし、この話、もっと簡単に結論が出せるかと思ったのですが、そうは問屋が卸しませんでした。環境問題のようないろいろな要素が絡んでくる問題は、簡単には答えが出せませんね。
一応ここまで書いてきましたが、私はこの問題の専門家でもなんでもないので、誤読している点や間違っている情報等あるようでしたら、ぜひお知らせください。
おまけ:発泡スチロールにまつわる誤解?(2007年5月30日追記)
発泡スチロールに悪者のイメージが付きまとっていたのは、燃やすと有毒ガスが出たり、ダイオキシンが発生したりするのではないか、とか、環境ホルモンと呼ばれた内分泌系撹乱物質を溶出させるのではないか、という疑惑によるものが大きいのではないかと思います。
ダイオキシンは発生するのか
発泡スチロールは、ポリスチレンをブタン等の炭化水素ガスで発泡させたものですが、成分に塩素は含まれておらず、炭素と水素で構成されているということです。ブタンも同様です。炭素と水素は燃やせば、それぞれ(二)酸化炭素と水になるだけです。
スチレンの化学式は C6H5C2H、明らかに炭素と水素しか含まれていません。
むしろ、紙は燃やせばダイオキシンを出すことが多いです(ここではダイオキシンの毒性はさておき)。紙を白くするための塩素系の漂白剤の残留が原因ではないかという話です。ちなみにタバコの煙には由来不明ですがダイオキシンが含まれているそうです1。
ただ、ポリスチレンが炭素と水素しか含まないから問題ないじゃないか、というと、そう簡単な話でもなさそうです。ポリスチレンのようなベンゼン環を含むものと HCl を燃やしたところダイオキシンが大量に発生したという話があります2。これが正しいとすると、他のゴミと燃やすことによって、ダイオキシンを発生させる可能性があることになります。
「塩素量で決まる」、これが大体の原則だと思っていたら、この間、国立環境研究所の安原さんの実験結果を知って、「多少違うのか」、と思い始めた。安原さんの主張は、ダイオキシン発生には、やはりベンゼン環が必要だと言うのだ。確かに、私自身も、大分以前は、化学的常識としてそう考えていた。
安原さんの実験は、こんな感じだ。
- 新聞紙+食塩を燃やす=ダイオキシン大量発生。
- 塩ビから添加物を全部除去したものを燃やす=ダイオキシン発生ほぼゼロ。
- ポリスチレン(ベンゼン環大量)+HClを燃やす=ダイオキシン大量発生。
- ポリエチレン(ベンゼン環なし)+HClを燃やす=ダイオキシン発生ほぼゼロ。
発生したものには、確かにベンゼン環が含まれている。
一方、発泡スチロール再資源化協会の Q&A3 によると、ダイオキシンは発生するものの、非常に少ない、となっています。
国の定める燃焼条件で、微量の塩分が付着した使用済み発泡スチロールを燃焼した結果は、国の規制値(平成14年:10ng/立方メートル)の3/1000という極めて低い値でした。
というわけで、発泡スチロールは、塩素を含まないので問題ないかと思っていたのですが、こちらもそう単純な話でもなく、他の塩素を含む物質と燃やされることで、多かれ少なかれダイオキシンを発生させることにはなりそうです。
ただ、近年の焼却炉は性能が上がってダイオキシン類を出さなくなっており、さらにダイオキシン類対策特別措置法によって、排出基準が非常に厳しくなったので4、問題となることは少なそうです。ダイオキシン類対策特別措置法の概要については高知県のサイトが比較的まとまっていました。
環境ホルモン?
「環境ホルモン」という言葉は一昔前に一世を風靡しましたが、それから10年以上経った現在でもよくわからない部分が多く、過剰に危険性があおられていた面も少なくないと思われます。もちろん、研究の結果、実際に使用中止に至った物質ももちろんありますが、環境ホルモンという言葉で一括りにして論じられるような問題ではないのでしょう。
発泡スチロールにおいて環境ホルモンの嫌疑がかけられていたスチレンダイマーおよびトリマーについては、研究の結果、環境省の「「内分泌攪乱作用を有すると疑われる化学物質」から外されているとのことです。
10 Comments
Re: 発泡スチロールは環境に優しくないのか − Mac の梱包材をめぐる雑感
せうさんのサイトから来ましたが、とても面白いレポートですね。
段ボールと発砲スチロールの梱包コスト比較などもあればもっと
製造者の気持ちが見えてくるかと思いました。
最近は「環境に配慮」「環境にやさしい」と書かれた宣伝文句が
良く見つかりますが、その「配慮」も書いた人の立場からしか見
ていない、熟考したとは思えないものが多いと感じます。
例えば石油燃料の代りにトウモロコシなどの植物が原料のプラス
ティックや自動車の燃料。これが原因でトウモロコシやサトウキ
ビの値段が高騰してメキシコやブラジルで暴動が起きたりしてま
すね。
例えば鉛フリーをうたったRoHSもヨーロッパでは盛んですが、通
信業界などの信頼性が重要な機器に使用するにはRoHS対応製品の
歴史が浅く、反って故障による取り替えが多くなれば鉛入りの従
来技術の方が良いのではないか、という意見さえあります。
あれだけ騒がれたダイオキシンの毒性すら最近は疑問視されてい
ますしね。
「環境に配慮」の宣伝文句で製品やサービスを選んでしまう私達
消費者こそ、もっと賢くならないと行けませんね。
From : T@ni @ 2007-05-30 03:24:22 編集
Re: 発泡スチロールは環境に優しくないのか − Mac の梱包材をめぐる雑感
今回、価格の問題まではたどり着けませんでしたが、重要なファクターですね。再生紙などのリサイクル材では費用が高くなってしまうので、環境税と補償のようなものも検討する必要が出てきますが、これまた簡単にはいかない問題のようです。
環境税を考える 市民のための環境学ガイド
From : Hiro @ 2007-05-30 08:59:30 編集
Re: 発泡スチロールは環境に優しくないのか − Mac の梱包材をめぐる雑感
コメントするのは初めてですね。
なかなか面白い話題です。
発泡スチロールが環境に悪いという象徴のように取り上げられたのには、現在のようにライフサイクルコストやCO2がらみの問題以前に、焼却処分すると有害な塩素系のガスが出ること、そのため償却できずに不燃物として処理するため、かさばるなどの要因も大きかったような気がします。
ライフサイクルコストは、以前某自動車メーカーに勤務していた頃、真剣に検討していた頃がありました。ただ、より多くのものを比較するために、検討しやすい尺度を導入する必要があり、CO2であったり、製造・廃棄処理を含めた消費エネルギーといったものさしで見るようになりますが、単純化した切り口では全てが捉えられるわけではなく、見落としも大きいことを評価する側が意識する必要のある問題だと思っていました。
世間では、ハイブリッド車は環境に優しいといっていますが、バッテリーの寿命をきちんと評価し、それこそライフサイクルコストを明示して欲しいと思いますね。携帯電話などの充電池の寿命が数年にも満たないのに、従来のガソリン車のように10年以上も乗り続ける場合・・・・何がおこなわれているかは明白ですよね。
From : Ken @ 2007-05-30 09:42:24 編集
Re: 発泡スチロールは環境に優しくないのか − Mac の梱包材をめぐる雑感
トラックバックとコメントありがとうございました。
リンク先を全部読んでみましたが、単純ではありませんね。
個人的には、Appleだけ他のメーカーと逆の方向に進んでいるんじゃないかと思い、あの記事に、こう書いた次第です。
Appleには、Appleなりの考え方があるんですかね?
From : せう @ 2007-05-30 11:41:09 編集
Re: 発泡スチロールは環境に優しくないのか − Mac の梱包材をめぐる雑感
実際のところ、Apple が環境負荷を熟慮の末、梱包材を決定したのかどうかは、わからないですもんねー。
From : Hiro @ 2007-05-30 12:08:03 編集
Re: 発泡スチロールは環境に優しくないのか − Mac の梱包材をめぐる雑感
Ken さんは、あの Ken さんですね。
そういうイメージがあると思いますが、実際には発泡スチロールの原料には塩素は含まれていないようです。後で記事にも追記しておきます。
発泡スチロール Q&A〈環境編〉発泡スチロールを燃やすとどんなものが発生しますか?
From : Hiro @ 2007-05-30 12:11:35 編集
Re: 発泡スチロールは環境に優しくないのか − Mac の梱包材をめぐる雑感
そうです。あのKenです。←なんでしょうねこのコメント。
なるほど、確かに塩素系のものが出るというのは、誤解をしていたようです。いかんなぁ。
嫌がられていたのは、不完全燃焼による一酸化炭素および煤の発生のようですね。
From : Ken @ 2007-05-30 15:42:04 編集
Re: 発泡スチロールは環境に優しくないのか − Mac の梱包材をめぐる雑感
Ken さん、追記に書きましたが、発泡スチロールそのものに塩素は含みませんが、他の物質に含まれる塩素と発泡スチロールのベンゼン環が反応して、ダイオキシンができる可能性はあるようです。
世間で悪者扱いされていたのはそこまで検討してのことではないと思いますが、調べてみるといろいろな要素が出てきて、易しくはないですね…。
From : Hiro @ 2007-05-31 02:06:08 編集
Re: 発泡スチロールは環境に優しくないのか − Mac の梱包材をめぐる雑感
ご無沙汰してます。大変面白い記事でした。
元々Appleはそんなにエコな会社じゃないよね、って感覚でいましたが、
>実際のところ、Apple が環境負荷を熟慮の末、梱包材を決定したのかどうかは、わからない
は確かにそうですけど、ふと気付くと、身の回りのアップル製のサイズの小さい製品には一切発泡スチロールは使われていませんね。寧ろソフトウェア製品なども一般的に且つ慣習的に無駄に大きかったパッケージを小さくして、説明書も排除し、コンパクトな厚紙箱梱包にするなど、あまりアピールは見られませんが、配慮しているのかも?と思える部分もあります。
この辺、ちょっと見解を聞いてみたい所ではありますね。
From : t0mori @ 2007-07-01 20:04:03 編集
Re: 発泡スチロールは環境に優しくないのか − Mac の梱包材をめぐる雑感
t0mori さん、確かに Apple は新しい Mac を出すに連れて、同じ筐体でも箱は徐々に小さくなっていっていたり、デザイン面の考慮でもあるのでしょうが、無駄を省くようになっていますね。なるほど。
From : Hiro @ 2007-07-03 01:18:46 編集