2007/01/10

iPhone のインターフェイスは Apple の例の特許みたい

単に PDA としても大いに魅力あり

噂通り、iPhone 発表されましたね。

iPhone

Safari なんかも搭載されていて(上記画像は iPhone での Google 検索結果)、以前妄想として書いた「ソフトバンクと iPod と NOKIA と Safari」という記事もまんざらではなかったということになるでしょうか。しかし、WebKit だけではなく、Mac OS X のサブセットが載っているようですから、驚きです。次バージョンの Mac OS X 10.5 Leopard の機能である Core Animation まで載っているようです。

いじりがいはありそうですが、インターフェースはどうなっているんでしょうね。iPhone の仕様を見た範囲ではよくわかりません。各所に上がっている写真などを見ても、特に USB などはなさそうです。通常の iPod と同じ Dock コネクタポートは付いているんでしょうね(それだと "Made for iPodプログラム"に参加しないとデバイスを作れないから、サード・パーティには大変そうですが)。

おぉ、ユーザインターフェイスは例の特許か!

Apple のサイトで iPhone で写真を表示する様子を見ると、その優れた操作性に惹き付けられます。画面の拡大縮小を2本の指で行っているようですが、これは TEDTalks で紹介された以下のデモで見たものではないですか!

YouTube - Multi-Touch Interaction Research

Google Video に上がっているデモへのコメントには、これがアップルが特許を取った技術だということが書いてあります。

A movie about the technologie which Apple has reacently pattented. It is not a movie made by Apple but by some researchers

このデモ自体、Mac OS X 上で動いていたのですよね。

nobilog2 さん には、同様の技術を持っている FingerWorks という会社が Apple に買収されたことも書いてありました。

おもしろいのは、パッドの上で複数の指を使って、例えば5本の指を広げるようなジェスチャーをすることでウィンドウの大きさを変えたり、といった操作を実現していたこと。

私には、上記デモと FingerWorks の関係はよくわかっていないのですが、とにかくこれらの技術が活かされたことが想像できますね。

この新しい UI は、Multi-touch というらしいです。TEDTalks のデモにも "MULTI-TOUCH INTERACTION EXPERIMENTS" と表示されていましたね。

追記

FingerWorks についての説明があるページがありました。

MultiTouch 技術

フィンガーワークス社の創設者でデラウェア大学の電気工学とコンピューター工学教授であるエリアス社長と,大学院博士課程でその教え子だった,ウェイン・ウェスターマン氏がデラウェア大学で開発したもの。

MultiTouch という名前も同じですし、TEDTalks でのデモを行なった Jeffrey Han 氏も関係者ということでしょうか。(英語情報を当たればよいのですが、そこまでの気力がありません。)

iPhone はやっぱり Jeff Han の Multi-touch 技術を使っている(追記2)

The Multi touch screen のサイトに、明確に iPhone は Jeff Han の Multi-touch テクノロジーを使っている旨の記述がありました。

iPhone and Jeff Han's Multi touch?

Yes, the iPhone uses Multi-touch technology.

  • FingerWorks has been bought by Apple in June 2006.
  • Jeff Han has NOT been hired by Apple to work on the iPhone

There were rumors that Apple had tried (unsuccessfully) to hire Jeff at one point to work on the launch of the iphone. NY Times techie David Pogue even asked Steve Jobs about him on the day of the launch.

Here's Jeff Hans' response on the iPhone:

"The iPhone is absolutely gorgeous, and I've always said, if there ever were a company to bring this kind of technology to the consumer market, it's Apple. I just wish it were a bit bigger so I could really use both of my hands."

Jeff Han 自身は Apple に雇用されたわけではないとのこと。iPhone が出たときに Jeff Han は、こういう技術をコンシューマ市場に持ってく企業があるとしたら、それは Apple だと言ってたでしょ、とコメントしたそうです。

iPhone uses Multi-touch Technology? にさらに詳しい情報が載っています。英文ですが、興味があれば目を通してみてください。Apple の特許に具体的に言及しています。

iPhone は GSM 携帯電話、日本では使えない(とりあえず)

さて、アジアでは2008年に販売を開始ということで、日本で使えるのはその頃かなーと思っていたら、iPhone の仕様には、iPhone は GSM のクワッドバンドだと書いてあります。なんですと!日本と韓国は世界で少数派の GSM の使えない国なのです。Wikipedia による GSM の記述 を引用します(強調部は私です)。

GSM(Global System for Mobile Communications)は、FDD-TDMAの第二世代携帯電話(2G)の方式。2005年現在、欧州・アジア(日本、韓国を除く)アフリカ・オセアニア・ラテンアメリカ・北米の210以上の国や地域でサービスが行われ、デファクトスタンダードとなっている。

日本が独自の携帯電話路線を歩いてきた影響がこんなところに…。

ちなみに GSM といっても単純な 2G(第2世代)ではなく、EDGE (Enhanced Data Rates for GSM Evolution) 対応なので 2.75G と言われています。IMT-2000 を満たさないので 3G ではないけど、高速データ通信できるし、ほぼ 3G というところでしょうか。厳密な区別をせずに 3G とされることもあるようです。

少なくとも iPhone が DoCoMo やソフトバンクモバイルが採用している UMTS である W-CDMA に対応してくれるまでは使えないと考えられます。将来的にも iPhone が第3世代に対応しないとは考えにくいですから、いずれは対応するのでしょうが、それがいつになるのか…。初代 iPhone では、2008年のアジア発売になっても対応してくれないのでしょうか…。

発売までの間に仕様変更されることを期待してみます。GSM/EDGE/W-CDMA 対応の携帯電話というのは存在するし、そういうチップもあるそうなので、対応は難しくないと思うのですが。Mac World にはソフトバンクの孫正義社長も来ていたようですし…。

いろいろ書いてきましたが、携帯電話として使えなくても十分魅力的なので、発売されたら思わず買ってしまいそうです。Newton だと思えばいいんですよ!しかも、フルブラウザとメーラーがあって、W-iFi と Bluetooth が使えるんですよ!

そして、いろいろな特徴があるので忘れかけてましたが、なんといっても iPhone は iPod なのでした。iPod nano と違って、音楽、写真だけではなく、動画再生もできます。

それに当分 SOFTBANK MOBILE から iPhone が出ることはなさそうなので、これで心置きなく au の携帯端末を買えますよ…。

各メディアの iPhone に関する記事

iPhone はクローズド・プラットフォーム(追記)

HMDT の木下さんがせっかく開発意欲に燃えていたのに、

iPhoneのOS Xは、Mac OS Xのサブセットっていうところみたいだけど、どこまでの機能が含まれるのか?

カーネルは、含むよな。ネットワークスタックも、あるだろう。Window Serverも、あるみたい。Quartzも、かなりの程度まで含まれているようだ。Cover Flowが実現されているとなると、OpenGLも込み?Cocoaは?SafariやDashboardが動いているとなると、Cocoaもあるのかも。

もしそうならば、CocoaアプリケーションがiPhoneで動く?!おぉー、そうなったら面白い。最強の開発環境が携帯電話に。

とりあえず、SDKを早くくれ。アプリ作るから。

そういや、ウィジェットが動くみたいだけど、自分で作ったウィジェットのインストールって、もちろんできるんだよな?

ITpro の記事によると、サードパーティの開発は期待できないようです。将来的に方針が変更されることがないとは言えませんが。

質問:iPhoneではMac OS Xが稼働しているそうだが,OS X用のアプリケーションをユーザーが自由にインストールできるのか。

ウィーアッグ氏:できない。iPhoneはクローズド・プラットフォームだ。これは,セキュリティの要件による。コンピュータ・ウイルスなどの侵入を防ぐためだ。ミニ・アプリケーションの「Widgets」も同じで,限られたアプリケーションしかインストールできない。

質問:iPhoneのOSやハードウエアについて詳細を教えてほしい。

ウィーアッグ氏:OSは,Mac OS Xをモバイル・デバイス用に最適化したものになる。それ以上の詳細や,ハードウエアについては,消費者用製品ということで公表していない。

質問:iPhone用アプリケーションをサード・パーティが自由に開発したり販売したりできるのか?

ウィーアッグ氏:サード・パーティ戦略は今のところない。前にも述べたように,セキュリティ面を考慮してのことだ。

木下さんの意欲にも冷や水が浴びせられました…。

追記:

コメントにいただいた、ITproの記事によれば、サードパーティのアプリケーションは受け付けないこと。急速にiPhoneへの興味はなくなった。ただの携帯か。

インタビューで、サードパーティを参入させない理由に、セキュリティを挙げているけど、ありゃアメリカの企業がよくやる、嘘じゃないけど全然関係ない事を説明する、っていう手だね。サードパーティがセキュリティの問題になるんだったら、SymbianやWindows Mobileはどうなの。

ポスト @ 7:30:00 , 修正 @ 2007/01/11 2:21:53 | , , , | 「このエントリーを含むはてなブックマーク」ボタン この記事「iPhone のインターフェイスは Apple の例の特許みたい」を含むはてなブックマークの数

2 Comments

Re: iPhone のインターフェイスは Apple の例の特許みたい

初めまして(ですよね?)、nobilog2の林信行です。
Expo会場から眠気覚ましにブログを巡回してコメントを書いています(笑)

アプリケーションですが、「アップルの側から提供する」といっていますが、それがアップル製ソフトだとはいっていません。ITproの中田さんと一緒のインタビューしたが、実際にはジョズはこれが「iPodに近い」といっていました。
 これ、私の後付けの解釈ですが、iPod Gameなどと同じと考えていいんじゃないでしょうか。
http://mac.ascii24.com/mac/news/misc/2007/01/10/667103-000.html

 iPodのゲームは、アップルが開発しているわけではありませんが、提供はアップルのiTunes Storeから行われています。
 同様にauの携帯電話プラットフォームとして人気のBREWも、アプリケーションはQuaclcomm Japanや京セラがチェックしてから配布しています。 (Smile)

From : nobi @ 2007-01-11 03:39:17 編集

Re: iPhone のインターフェイスは Apple の例の特許みたい

林さん、はじめまして。

これ、私の後付けの解釈ですが、iPod Gameなどと同じと考えていいんじゃないでしょうか。

確かにインタビューの受け答えを見ていると、多少の含みを持たせていますね。現在の分かる範囲では、市井のプログラマが気軽にハックできるものではなさそうなのが残念ではありますが。

From : Hiro @ 2007-01-12 01:57:00 編集

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