2006/12/19
岳 - みんなの山 第3巻は12月26日発売
以前紹介したことのある「岳」という漫画ですが、もうすぐ第3集が出ます。
第2集が出たときに、すぐ第1集は入手困難になってしまいましたが、増刷がかかったようで、今では Amazon などでも普通に入手できるようです。
広告を見ると、第2集も重版がかかったようですから、予想以上の反響なのでしょうか。嬉しいことです。第2集から第3集までの間が非常に短いのも、反響の大きさを表している気がします。
山に興味のある人もない人も惹き付ける「岳」の魅力は何なのでしょうか。扱っているのは山岳遭難で、決して軽いテーマではありません。その魅力は、乱暴に言ってしまえば人の生死に関わることであるということなのでしょう。
人の死というものが病院に隔離され、都市化した生活はそれ以外の生命の生き死にからも遠ざかり、さらには IT化により社会の仮想化が一層進んでいる世の中にあって、否応なく「リアルであること」を突きつけられる、そのことが人の心を動かすのかもしれません。ただ、こんな言葉にしてしまうと陳腐過ぎて、この本の魅力としては掬いきれないものが沢山あるような気がします。ぜひ手に取って読んでもらいたい本です。
(ところで中沢新一の本で「リアルであること」という本がありました。若者がオウムのような新興宗教に走り出したことに書かれた少し前の本ですが、その後の社会の見る上での示唆に富んだ良い本です。)
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