2007/12/12
Gmail に迷惑メールを送るのは自殺行為かもしれない
ふと思ったのですが、Gmail にスパムメールを送るのは、業者にとっては自殺行為になる可能性があるのではないでしょうか。
Google はスパムサイトに誤って良い評価を与えないために日夜努力を続けており、ユーザに不正な検索結果を報告するように呼びかけたり12、最近では検索結果に対して Digg 風の評価システムを実験したり3しています。
Digg を模した評価システムを実験しているのは、ワードサラダ4のような技術が出てきて、アルゴリズムだけではスパム判定が追いつかない部分があり、集合知5の力を利用することでアルゴリズムを補強しようと Google も試行錯誤しているのだと思います。
Digg 風の評価システムは、Google が今現在も提供している「不正な検索結果の報告」を手軽にできるようにしていることになるわけで、うまく機能すれば検索品質の向上につながりそうです。
と、ここで目先を変えてみると、そうやって新しく評価を集めなくても、Google は既に膨大な量のスパム評価データを持っているのではないかと思いました。それは Gmail に送られてくる迷惑メール群です。
Gmail のスパムフィルターは精度が良いとして既に定評があります。私の場合、Yahoo! メールの迷惑メールフィルターはあまり性能が良いとは思えず、フィルターした後なのに受信箱の中身は迷惑メールの方がだいぶ多いという悲しい状況です。私は Yahoo! メールに来たものを Gmail でも読めるようにしているのですが、Gmail のほうでは、ほとんど迷惑メールを逃さずふるい分けてくれます。(Gmail ではメーリングリストだけは若干苦手なようで、逆に誤って迷惑メール判定されることがたまにありますが。)
Google が検索結果に Gmail のスパムメールに含まれる URL 等を活かすようにすれば(もしかしたら既にしているかもしれませんが)、Gmail に対しスパムメールを送ることは、業者が宣伝しようと欲している URL を、逆にウェブ検索の結果から除外する、もしくは検索順位を落とす結果となります。
そうしたスパムサイトがどの程度ウェブの検索結果からのトラフィックを期待しているのかは疑問もありますが、受信メールからも弾かれ、ウェブ検索結果からも弾かれるようになれば、全体的なアクセスはいずれにせよ減少することになるのではないかと思います。
この仮定が正しかったとして、スパム業者も学習して gmail.com ドメインには迷惑メールを送らないようになるかもしれません。しかし、Gmail 利用者はメールの転送や Mail Fetcher 機能を用いた外部メールの取り込みによって、gmail.com ドメイン宛以外メールも取り込んでいます。そうなると業者にとって Google からのスパム補足を完全に避ける手はないことになりますね。
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TechCrunch Japanese アーカイブ ? なんと驚き?Googleが検索結果にDigg方式の投票を実験中 ↩
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ワードサラダについての一般的な説明に関しては「ワードサラダ」 - 時代を読む新語辞典 - ビジネスABC が、ワードサラダの技術的な概略については、ワードサラダ技術について :: Drk7jp が参考になります。ワードサラダの実例は、ワードサラダAPI で見ることができます。 ↩
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「集合知」についての、ちょっとしたまとめ :Heartlogic がよくまとまった説明になっていると思います。 ↩
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