前回紹介したときと同様、基本的に本文は引用しませんので、自分で確認してみて下さい。全13ページありますが、最後まで通しで読んでしまう内容です。巻頭言だけ引用しておきます。
私こと吉田恭一は、昨年4月25日に発生した福知山線快速脱線事故に巻き込まれました。
そのときの模様を入院中に書き留めた手記を、鉄道に関するページを運営する者として、ここに掲載いたします。
公開するにあたり、不適切であると判断した部分を、いくつかカットしておりますが、ここに記載していることが、すべて事実であることには変わりありません。
皆様が報道によりさんざん目にしたであろう、あの銀色の車体の中では、こんなこともあったということをご理解いただければ幸いです。
上記の記録を読み返してすぐに、この事故についての報道がありました。宝塚駅手前は眠くなりやすい地点
で、眠気が一連の異常運転のきっかけだった可能性が高い
というものです。この内容自体は新しいこととは感じられず、[1年以上前の YOMIURI ONLINE の記事][Yomiuri]のほうがずっと詳しいです。ただ、たまたま私が吉田さんの手記の更新に気が付いた直後に時期が重なったので印象に残りました。
今回 NIKKEI NET で報じられた居眠り遠因説については、上記吉田さんの記事の10ページ目を読む限りでは、それだけでは説明しにくいように思えます。むしろ YOMIURI ONLINE の記事中で言及されている"日航「逆噴射」事故のような心神喪失状態の方が納得できるものがあります。そのあたりのことは永遠にわからなさそうですが。
この記事を公開して次の朝に朝刊を見ると、事故調査委員会による報告がまた出ていました。
確かに上記、日経ネット関西版に載ったような無線交信記録を見ると、まさに事故が起こるときに無線交信していることがわかります。自動車運転中の携帯電話の使用の危なさを考えれば、同じようにかなりの危険性はありそうです。
ただ、それをもってしても説明しきれないのが、吉田さんに指摘されているそれよりもっと前から起きていた当日の異常な行動です。不可解な部分は残ります。
すべてが完全に解明されることはないのかもしれませんが、それでも吉田さんの私たち、命を永らえることが許された者は、お亡くなりになった方々に対し、JR西日本のこれからの「更正」を見届ける義務があり、私はJR西日本に対して、安全面においての債権者であると認識している
と語る真摯な思いには心が動かされます。
ページ数があるので、目次のようなものがほしくてリストにしてみました。勝手に見出しを作るのはためらわれたので、各ページの書き出しをもって見出しにしてみます。
と、ここまで書いて、紹介したページの内容に基づくと思われる書籍が出ていることに気が付きました(今更)。
その他にも何冊かこの事故を扱った本があるようです。
]]>