1つ前の記事で「超薄型、噂のウルトラモバイル」と書いた MacBook Air1ですが、その仕様2を見ればわかるように、(いい意味で)小さくはありません。
液晶ディスプレイは 13.3インチ・解像度 1280×800 であり、MacBook に退けを取りません3。
キーボードはフルサイズで、MacBook にはないバックライト(モバイル用に欲しかった機能です)まで備えています。実は縦横 32.5cm × 22.7cm という大きさも MacBook と同じなのです。しかし、厚さは MacBook が 2.75cm なのに対し、MacBook Air は最大 1.94cm、重さに至っては MacBook が 2.27kg に対し、MacBook Air は 1.36kg。1kg 近い軽量化が図られています。
値段も同じくらいで、同じく光学ドライブを省いた Panasonic の LET'S NOTE Tシリーズ4は、重さこそ 1.18kg ですが、ディスプレイは 12.1インチ・解像度 1024×768 と一回り小さく、厚みは最大 4.53cm もあります。
機種名 | MacBook | MacBook Air | LET'S NOTE CF-T7B |
---|---|---|---|
重量 | 2.27kg | 1.36kg | 1.18kg |
ディスプレイ | 13.3" (1280×800) | 13.3" (1280×800) | 12.1" (1024×768) |
幅 | 32.5cm | 32.5cm | 27.2cm |
奥行き | 22.7cm | 22.7cm | 21.4cm |
高さ | 2.75cm | 0.4〜1.94cm | 2.49〜4.53cm |
CPU | 2.0GHz/2.2GHz Intel Core 2 Duo | 1.6GHz/1.8GHz Intel Core 2 Duo | 1.06GHz Intel Core 2 Duo |
価格 | 139,800円 | 229,800円 | 222,950円 |
その他にも違いはたくさんあるのですが、顕著な違いとしては、LET'S NOTE はいろいろなインターフェイスを残しているのに対し、MacBook Air は、USB ポートが 1つと、DVI の出力くらいしかないことが挙げられるでしょう。(最大の違いは OS ですけどね ;-))
MacBook Air は LET'S NOTE が持っているモデムも、PCカードスロットも、Ethernet 端子すら切り捨てています。その代わりと言ってはなんですが、MacBook Air の無線 LAN は IEEE 802.11n です(レッツノートは IEEE 802.11a/b/g まで)。
レッツノートは、パレートの法則でいう残り 20% が切り捨てられないために、MacBook Air と比較してしまうと、良くも悪くも思い切りが足りない印象を受けます。
キーボードの打ちやすさ、画面の作業領域の大きさ等の使い勝手に関わる部分は切り捨てずに、薄さを目指した Apple の方向性は正しいと思います。
MacBook Air の実機が出てくるのはまだ 2週間以上先のためわかりませんが、実際に MacBook Air を手に取ってみれば、ずいぶんと「軽量感」とでも言うべきものを感じると確信しています。
それは、大きさがほとんど同じ iPod touch5 と iPod classic6 (80GBモデル) の場合に、厚みが iPod classic の 2/3 以下の iPod touch のほうが、かなりコンパクトに感じるのと同じだと思います。
MacBook Air は付属のインターフェイスや拡張性を代替に切り捨てていますが、この方向性は十分あり得るでしょう。家などでメインに使うマシンはともかく、2台目や一般業務に使う仕事用のマシンは、 光学ドライブもほとんど使う機会がないし、ネットにつながれば、その他のインターフェイスはなくとも、十分仕事になると感じます。
というか、仕事用に MacBook Air、すごく欲しいです。仕事で物理的なハードウェアをいじることはないので、インターフェイスは USB があれば十分です。ミーティングが少なくないので、パソコンを持ってあちこち移動することが多く、そうなると MacBook Air がますます魅力的です。MacBook Air は軽量化されていても、ディスプレイはある程度の作業領域を確保しているし、席にいるときは大きな液晶ディスプレイにつないでデュアルスクリーンで仕事しているので問題ありません。標準でプロセッサも Core 2 Duo の 1.6GHz、メモリ 2GHz ですから、能力的にも十分です。
やはり MacBook Air の実機は、薄さに限らず相当魅力的なようです。
iPod touchと同じく、MacBook Airもまた、写真と実物を手にした時で、かなり印象が違う製品だ。その魅力は、触ってみると本当によくわかる。
私がこの記事で言いたかったことを、うまく述べられている記事がありました。
記事のタイトル、および以下のような小見出しからを見れば、言わんとしているところはわかると思います。
MacBook Air はモバイルノートであって、サブノートではないのですね。モバイル (mobile) とは、辞書で引くと「自由に動く」という意味がある7ことがわかります。
記事中ではレッツノートとの比較も触れられていますが、レッツノートは明らかに「引き算」ではありませんね。そのため、MacBook Air との比較においては、中途半端な印象を受けてしまいます(世間の評価は割と高いのですが)。
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